エール（月～金）第11週「家族のうた」（6/8～12日）のあらすじと無料で動画をお試し視聴するには？　喪失と喜びが故郷・福島で交差する

裕一（窪田正孝）と音（二階堂ふみ）に愛娘の華（はな）が生まれて四か月が経ったが・・・・・。

裕一は作曲そっちのけで娘に夢中。

そんな時、小学校時代の恩師・藤堂先生（森山直太朗）から、小学校の校歌を作ってほしいとの手紙を受け取った。

裕一が校歌を作曲して送ると、数日後に「校歌完成披露会を開くので、ぜひ参加してほしい」との手紙が届き・・・・。

藤堂先生からの手紙には、母のまさ（菊池桃子）からの文も同封されていた。

その母のまさの文には「妻と娘を連れて帰省するように」と書かれていた。

故郷を捨てた自分が帰っていいのか？
どのような顔をして帰ればいいのか？
と戸惑う裕一であったが、・・・・。

しかし、華が大きくなった時に故郷のことを話せないのは忍びないとの思いから、裕一は福島に帰ることを決意した。

裕一たち家族が福島へ帰り、校歌完成披露会が福島の旅館で開かれた。

校歌完成披露会が終わり、その日の夕方、裕一は音と華を連れて実家の喜多一に帰った。

店に足を踏み入れると、店内は商品がなくガランとしていた。

実は喜多一は半年前に店を閉めたのだった。

そして弟の浩二（佐久本宝）は、役場の農業推進係として働いていた。

伯父の茂兵衛（風間杜夫）が営んでいた川俣銀行も、今では人手に渡っていた。

茂兵衛は隠居して陶芸に夢中になっていた。

その夜裕一の実家では、大勢の客を集めて裕一凱旋の宴会が開かれた。

銀行時代の仲間やハーモニカ倶楽部の友人、喜多一の元従業員などたくさんの人が参加した。

「今夜は裕一の凱旋だ！みんなジャンジャン飲んでくれ」と上機嫌の三郎（唐沢寿明）であったが・・・・。

やがて浩二が帰ってくるが、浩二は裕一をまともに見ようともせず「よくヘラヘラと帰ってこれたな」という言葉を投げかけた。

宴会中、音は三郎が胃のあたりを押さえて痛そうにしている姿を目撃した。

実は、三郎は末期の胃がんで、もう手の施しようがない状態だった。

これを知った裕一は言葉もなく茫然自失となり・・・・。

次の日、三郎を診察した医者は家族に、「覚悟しておくように」と告げた。

夕方になり、何とかして父親を助けたい裕一は、母・まさに金を渡そうとするが、そこへ浩二が帰宅し、「手助けはいらない！」と、拒絶された。

裕一：「でも今は家族一丸となって助け合わないと。このまま放っといたら父さんが」

浩二：「兄さんは何もわかっちゃにいないんだよ！自分たちも何もしてこなかったわけじゃない。」

実は、お金を工面して福島で最高の医者にも診てもらったが、もう手の施しようがない状態だったのだ。

そこへ三郎が現れた。

三郎は裕一に「大事な話がある」と言って外へ連れ出した。

三郎が、「承諾してほしい話がある」と切り出したのは・・・・。

三郎の容態が急変し、意識不明となった。

三日目にようやく目を覚ました三郎は、「浩二と二人きりにしてほしい。」と言いだし・・・・。

三郎：「浩二、俺が死んだら、喪主はお前だ。喜多一を継いだやつがこの家の主だ。」

三郎：「家や土地のすべてを浩二に継がせる。裕一には了解もらった」

それを聞いて涙を流す浩二。

三郎は、浩二の頭をなでた。

その夜、三郎は安らかに息を引き取った。

裕一は、浩二にこれまでのことを謝り、家のことと母親のまさのことを頼むと頭を下げた。

数日後、帰り支度をする裕一に、
浩二：「兄さん、俺、リンゴやるんだ。うめえリンゴができだら送るよ！」

浩二と裕一の間にあったわだかまりがなくなった瞬間だった。

そして裕一の顔には、思わず笑みがこぼれ・・・・・